福岡県の最低賃金が2016年10月1日から時給22円引き上げられ、時給765円になります(注)。(現行時給743円)
企業内の最低賃金が765円未満の場合、10月1日から765円以上に引き上げなければいけません。時給750円の会社や、時給750円で求人している会社も多いと思います。10月1日以降は、否が応でも賃上げせざるをえません。
(注)月給制の場合は、月給を1か月平均の所定労働時間で割った1時間当たり(時給換算)の金額で比較します。最低賃金には、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、残業代(時間外労働・休日労働等の割増賃金)、賞与、臨時の賃金を含みません。 最低賃金は、正社員、パートタイマー・アルバイト・派遣労働者などすべての労働者に適用されます。
●業務改善助成金とキャリアアップ助成金のダブル活用を!
そこで活用してもらいたい助成金が、業務改善助成金とキャリアアップ助成金です。
業務改善助成金が8月24日改正(拡充・一部新設)されました。
たとえば、事業場内最低賃金が750円未満の場合で30円以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対して、生産性向上のためにかけた設備・器具の導入や経営コンサル経費の7/10(企業全体で常時使用する労働者が30人以下の事業場は3/4・※1)を助成するという制度(助成の上限額50万円)です。
生産性向上のための設備投資とは…POSシステム導入、顧客・在庫・帳票管理システム導入、経営コンサルティング経費など(注・単なる経費削減のための経費、職場環境改善のための経費、パソコン、営業車両など社会通念上当然に必要となる経費は対象外です)
(※1)生産性要件を満たした場合は、3/4(30人以下の事業場は4/5)に補助率かさ上げ。
時給765円未満の会社は、10月1日には765円以上に引き上げる必要があります。
たとえば、その事業場内の最低賃金が時給745円の会社は10月1日には20円賃上げしなければいけません。この際、9月中にあと10円引き上げて775円にした場合、生産性向上にかかった経費の7/10(30人以下の事業場は3/4)の補助が受けられ、業務改善助成金を活用したら会社の負担が軽減されると前向きに考えることができます。どうせ賃上げするなら、9月中が断然お得と言えます。
キャリアアップ助成金の賃金規定等改定コースと併給が可能ですので、この機会に賃金規定を2%以上増額改定して昇給を実施した場合(※2)に、増額改定・昇給した対象労働者の人数に応じて5万円~15万円(増額改定した対象労働者が11人以上の場合1人あたり1・5万円~3万円、最大150万円~300万円)の助成金を支給する制度です。
業務改善助成金を活用するケースだと、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定)のダブル受給が可能なケースがあり、会社の負担軽減がバッチリできることになります。
(※2)2%アップというのは、時給750円なら引き上げ額15円ですので、当然、業務改善助成金のハードルをクリアしていれば該当します。また、業務改善助成金は引き上げた賃金を支払う必要がありますので、当然、昇給実施のハードルもクリアすることになります。
最低賃金引き上げに関連して時給を上げないといけない会社は、ぜひ9月中の活用を検討したらいかがでしょうか。期間が限られていますので、先着順限定3社さま、申請代行に対応します。お気軽にご相談ください。
●10月以降も助成金は存続!じっくり検討しても間に合います
業務改善助成金もキャリアアップ助成金も、助成金そのものは、9月末で終了するわけではありません。また、業務改善助成金は、事業場内最低賃金が800円未満、1000円未満も対象です。キャリアアップ助成金賃金規定等改定コースは、1000円未満というしばりもありません。
引き上げ後の最低賃金をすでに上回っている会社でも、人材確保や定着のために賃上げを検討している場合は、ぜひ活用してほしい助成金です。
ぜひ一度、お問い合わせください。助成金コーディネーターが相談に応じます。